アタリショックと比較しているのを見て思ったことをつらつらと。結局ゲームメーカーがDSという新しい市場に馴染むことが出来ていないんだろうな。
脳トレ系の2番煎じ、3番煎じがどの程度売れているのかはここでわかる。
“二匹目のどじょう”は何匹いた?『脳トレ』系ソフトの現実 ジーパラドットコム
脳トレが売れるということで安易に作ってしまったメーカーが多かったようだけれど、結局オリジナルの分析が足りなかったとしか言いようがない。
TVCMによる認知度
DSで新たに獲得した客層というのはこれまでのゲームユーザーとは違い、ゲームの情報を能動的に集めたりはしない。わざわざゲーム雑誌を買うこともないCMで見たり、他の人の話題に上って始めて興味をもつ。これまでのようにゲーム雑誌に広告を打てば良いというわけではなく、売りたい対象に認知してもらうためにはどのような媒体にどのような広告を打てばいいのかきちんと戦略を立てなければいけない。この辺はかなりクリエイティブな作業になるし、真のゲーム制作者ならその面白さもわかるのだろうけれど、低予算で作れて売れるからとか安易に作っていれば売れないよな。
脳トレみたいなゲームを作りたいか?とか脳トレのようなゲームを作るためにゲーム業界に入って来たんじゃないとかいった話題も過去にあったけれど、脳トレ系ゲームを作るのもきちんと売れるような仕掛けを作るのも、これまでの手法が通じない 新たな手法を生み出さなければいけない真のクリエイティブが必要になる仕事なのだろうけど、結局それを出来たのは任天堂とあと僅かなメーカーのみで、残りは劣化コピーでしかなかった。
ブランド効果
脳トレは脳のトレーニングという漠然とした、記憶力のトレーニングになるような気がする程度の効果だけれど、それまでに無いタイプのソフトであり、東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修という題目をタイトルに入れブランド作りに成功したけれど、これからの実用ソフトはより効果が目に見える形にしなければいけなくなると思う。
DSで授業 語彙数4割増、集中力は3倍増!? iZa
実際の教育現場でも使われるようになった英語トレーニングソフトでもわかるように、これまでの娯楽という人の趣味趣向によって大きく変わる、評価のしにくい対象とは違い、効果が出るかでないかハッキリと結果が出る分野になった実用ソフトで、娯楽向けと同じ姿勢で良い物が作れる訳がないし、教育という人生に大きな影響を与える物への信頼度の違いという物を頭に入れなければ成功するわけがない。
しゃべる!DSお料理ナビ まるごと帝国ホテル~最高峰の料理長が教える家庭料理
これもCM戦略間違ってるよな。レシピ集なんだから深夜の通販みたいに実際に使っているところを見せる料理番組作るか、キューピー3分クッキングのレシピをまとめて定期的にシリーズ出すとかすれば売れるのに。実用的なソフトなのに中身の良くわからないCMを打って失敗している。家庭料理を作るコツだというのが全然伝わってない。
料理長達が出る料理番組一本作ってそれで大々的に使ってみせればまだ売れるんじゃないの?
ベネッセのニンテンドーDS学習ソフト「えいトレ」「読みトレ」の売り上げがよいみたいなのだけれど、教育系のソフトは親が子供に買い与えることが多い。しかも教育効果を狙って買う物である。これまで娯楽商品しか作っていない会社と、これまでずっと教育に携わってきた会社。子供のことを考える親ならどちらを選ぶか?なんてのは明らかだよね。
みるみる偏差値が上がる DS代々木ゼミナール なんて売れると思わない?
ベネッセ、ガンホー、学研、小学館……DS向けソフト参入相次ぐ NIKKEI NET
わかるところはわかり始めているのだから、ゲームメーカーがやるべきなのは教育分野の会社に企画を持って行って、資金提供を仰ぎ教育ノウハウとゲーム作りのノウハウを融合させること。それで実際に学習効果を数字で表して、広告戦略も教育分野の物を利用することだよな。教育分野の会社が出している本や雑誌に広告が載っていれば信用度や親の認知度はかなり変わってくる。
ゲーム業界の皆さん、他の業界とも協力してもっと上手く盛り上げてくださいよ。なんかチャンスなのにスルーしてたりして見ててイライラしてくる。まあ出来ることとやりたいことというのも有るのだろうけれど、可能性を狭めるような行動はもったいないなぁ。
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